LIME研究会

Minocycline Controls Clinical Outcomes and Inflammatory Cytokines in Moderate and Severe Meibomian Gland Dysfunction

Hun Lee, Kyung Min, Eung Kweon Kim, and Tae-im Kim

Am J Ophthalmol 2012;154:949–957.

 

前回のブログで有田先生が触れておられましたが、ミノマイシンのもつ抗菌・抗炎症作用に着目して、MGDに対するミノマイシン内服療法が取り組まれています。小生も今度の臨床眼科学会で講演予定ですが、これまで発表された論文の中で最もエビデンスレベルが高いのが標記の論文です。

 この韓国・Yonsei大学のグループは、MGD60症例をヒアルロン酸ナトリウム点眼群とミノマイシン内服100mg+ヒアルロン酸ナトリウム点眼群とにわけ、前向きランダム化比較試験を2ヶ月間行っています(エビデンスレベルI)。その結果、ミノマイシン内服+ヒアルロン酸ナトリウム点眼群では、ヒアルロン酸ナトリウム点眼群より有意にマイバムや眼瞼縁所見を改善されたこと、内服開始前よりBUTやMGD症状は有意に改善したこと、涙液中炎症性サイトカイン濃度も抑制したことを述べています。

 ちなみに、この論文のコレスポンディングオーサーであるDr. Tae-im Kimは、小生がハーバード大眼科に留学していた時に同じラボで一緒に実験していた元同僚です。今後も元同僚に負けぬよう情報発信していきたいと思います。