LIME研究会

11月12日に福岡市で開催された,福岡マラソンに出走しました。初マラソンで結果は惨敗でしたが,とてもいい経験になったと思います。

まだ元気なころ(5km地点)。Tシャツはライムカラーですが,大島眼科病院陸上部のユニフォームです。

翌日,脚ももちろん痛かったんですが,右目が何となくドライアイ症状が…ということで,マラソンと関連する眼疾患について,文献検索してみました。

 

Eye injuries in the extreme environment ultra-marathon runner. Cope TA and  Kropelnicki A. BMJ Case Rep. 2015-210432.

7日間走り続けるultra runnerが,左眼のしみる感じと視力低下を訴えてきたそうです。ゴーグルなしで,極寒のイギリスでのレースに参加していました。写真で見ると明らかなように,左眼に角膜実質浮腫を認めます。この患者さんは,氷点下の環境下で長時間ゴーグルなしで過ごしていたために,”corneal freezing”を起こして,このようになったとのことでした。

 

Marathon runner’s retinopathy. Labriola LT, et al. Semin Ophthalmol. 247-50, 2009

こちらはマラソンランナーが急に網膜出血をきたした,という報告で,練習中に血栓が形成されやすいんじゃないかと推測しています。25歳の若い女性で起こるのであれば,四捨五入すると50歳の私なんかはもっと気を付けないといけないのかもしれません。

症例報告ばかりでしたが,マラソンは適切な環境下で適切に対処がしてあれば,涙液のコンデイションには影響しなさそうです。ですので,私の右目の違和感は,”気のせい”という診断です。今シーズン,フルマラソンはもう走れませんが,またいつかフルマラソンに参加できるよう準備していきたいと思っています。