LIME研究会

はじめまして。
このたび、「涙のあぶら」プロジェクトリーダーとしてLIME研究会に参加させていただくことになりました、大宮はまだ眼科の福岡詩麻です。

私が眼科研修医の頃に、非侵襲的マイボグラフィーを開発中の有田玲子先生と知り合う機会に恵まれました。その当時から現在までの、有田先生やLIME研究会の先生方のマイボーム腺研究への熱意に感激し、私もマイボーム腺の形態(かたち)と機能(涙のあぶら)に興味をもつようになりました。先生方のご指導の下、涙のあぶらの厚み(涙液油層厚 lipid layer thickness)をはかる臨床研究をさせていただいております。

先日の角膜カンファランス2016では、ソフトコンタクトレンズがマイボーム腺の機能や形態、眼の乾燥感に与える影響について発表させていただきました。
ソフトコンタクトレンズ装用がマイボーム腺の形態に影響することは、有田先生がご報告されております(Ophthalmology 2009)。
さらに今回の研究で、2週間頻回交換型(2 week)ソフトコンタクトレンズ装用している方はマイボーム腺の脱落が多く、毎日交換型(1 day)ソフトコンタクトレンズ装用している方では、マイボーム腺面積の減少が多く(マイボスコアが高値)みられました。また、ソフトコンタクトレンズ装用している方は、コンタクトレンズを使っていない方に比べ、コンタクトレンズを外した時の涙のあぶらの厚みが薄くなっていることが、涙液油層干渉縞解析装置(LipiView®)を用いた測定でわかりました。ソフトコンタクトレンズ装用している方の涙のあぶらの厚みは眼の乾燥感と関係がある可能性もあると考えております。

LIME研究会に参加させていただくことで、「涙のあぶら」の不思議にせまり、マイボーム腺や「涙のあぶら」が改善する治療法をみつけ、マイボーム腺機能不全の患者様の具合がよくなりますよう貢献できたらと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。